子どもを褒めてはいけない?

褒めて伸ばすのがいいと思い、ひたすら我が子を褒めて育ててきました。
小さい頃はそれでうまくいっていたのですが、我が子が小学生になり、何かうまくいかない・・・と思い始めたころ、アドラー心理学の本で「褒めてはいけない」という文章を読んで戸惑っています。
子どもは本当に褒めてはいけないのでしょうか?
褒めてはいけないという事はありません。
まず、褒めることもとても大切です。
しかし、褒め方によって時にそれが弊害になってしまったり、副作用が起こる事もあります。

褒めると叱るはアメとムチ

子どもに対して「こうなって欲しい」という思いや期待があったり、「言うことを聞かせたい」と思うあまり、褒美や罰を与えてしまう事はありませんか?

例えば、「テストで100点取れたら○○を買ってあげるよ!」と、ご褒美で釣ったり、「弟のことをいじめたから今日はおやつ抜きだよ!」と罰を与えたり。

これらは、親の思うように子どもを引き上げたい!言う事を聞かせたい!など、子どもを支配、コントロールしたいといった親の目的が背後に隠れています。

そして、実は「褒める」と「叱る」にも、これと同じような目的が隠れています。

要は、アメとムチです。

「叱られるのが怖いからやめておこう」
「褒められると気分がいいし、嬉しいからやろう」
行動の基準がそういった動機付けになってしまっていると、様々な弊害がおこる場合があります。

褒めることの弊害

1.「褒めて貰えるのが嬉しいからやる!という動機付けが出来上がってしまうと、「褒めてくれる人がいない時はやらなくてもいいや!」という事にもなってしまいます

(ママに褒めて貰えるのが嬉しいから、小さい妹の面倒をみていたのに。今日は褒めてくれないからやらなくてもいい、といったように)

褒めてやらせるというのは、短期的には効果があるかもしれませんが、長続きはしません。
それよりももっと大切なことは 子どもの自発性を尊重し、内発的にやる気や自信をもってチャレンジ出来る心を育むこと。
「誰かの役に立てて嬉しい」という貢献感を育むことだと思います。

2.結果ばかり気にするようになる

何かが出来た時、達成したときだけ褒める、といったように結果に注目を与えるような褒め方をしていると、子どもは結果ばかり気にするようになります。
そして、結果が出せるか自信がないような難しいことにはチャレンジしなくなり、簡単なことばかり繰り返すようになります。
やがて自信を失い、何かする時には親の顔色をうかがったり、指示待ち人間になる、という可能性もあります。

他にも、結果ばかりに注目を与える褒め方には弊害があります。
「出来たね!」「すごいね!」など、親は子どもに自信をつけさせたい、と思いながら褒めていたつもりでも、結果的に自信ではなく、優越が育ってしまうということもあり得ます。

では、どんな褒め方をしたらいいのか?

それは、プロセスに注目を与えることです。
達成した時だけでなく、失敗した時も、プロセスに注目を与えるのが勇気づけです。

出来なくても全然いい。

自分からやろうとした事、自分で考えたこと、チャレンジしたことが素晴らしいのです。

結果ではなく、プロセスに注目を与える勇気づけを始めてみませんか?