噂の奇跡の保育園!視察へ行ってきました

栃木県足利市に「奇跡の保育園」と呼ばれている保育園があるのをご存じでしょうか

 

正式名称は小俣幼児生活団という名前の認可保育園さんで「朝イチ」や「バースデイ」などメディアや雑誌にも度々取り上げられています。

こちらの園さんは少し変わった保育を実践されているようです。その内容は例えば

  • 敷地3000坪超!池も梅林もある山のような園庭なのに、子どもたちの立ち入り禁止の場所が一切ない
  • 0歳から4歳まではクラスみんなで同じことをする時間はない
  • 給食はバイキング形式(2歳児もみんな自分の分は自分でよそっていた!)
  • お昼寝は強要しない
  • ルールは園児と一緒に話し合って決める
  • 園児に指示も命令も強要もしない

一見そんなことでクラス崩壊しないのか?ぐちゃぐちゃになってしまわないのか?とびっくりしてしまいますよね。

しかし実際視察に行かせて頂いて先ず驚いたのは、子どもたちがみんな凄く落ち着いていたことです。

その秘密は一体なにか・・・

園長の大川真先生は古くからアドラー心理学やモンテッソーリ教育を熱心に学ばれているそうで、その考え方を保育に取り入れられているというのも理由として大きいのではないかと感じました。

 

(築170年の古民家の園舎でモンテッソーリ教育とアドラー心理学のいいとこどりを実践!)  

 

私がこちらの園の存在を知ったのは「92歳の現役保育士が伝えたい、親子で幸せになる子育て/大川繁子」の本がきっかけでした。著書の大川繁子さんは園長先生のお母さまでもあり、現在は96歳になられたそうですが何と今も現役で主任保育士さんとしてご勤務されているそうです。(2024年1月情報)

この本を初めて読んだ時は、感動して涙が止まりませんでした。

この本の大ファンでアドラー心理学もモンテッソーリも大好きな私としては、いつか実際に見に行ってみたい!と思っていました。
そして「育自の教科書」などの著書で株式会社子育て支援代表の熊野英一さんとコラボでこの本の読書会を開催させて頂いたのが2年前。

その時の様子はこちら>>

その時のご縁でお仲間の輪がどんどん広がり、一度コロナで視察の話がお流れになってしまったものの、今回タイミング良く3回に分けて希望者のみんなで視察会を実現することが出来ました。

 

噂の3000坪超の園庭!というより、もはや山です!

池もあります

室内の様子。モンテッソーリの日常生活の練習のコーナー

言語教育のコーナー

1歳児クラスのお部屋。炊飯器が置かれています。保育室でお米を炊いているそうです。

 

高度成長期の中どんどん便利なものが増えていったけれど、日本人は本当に大切なものを見失っていないか?忘れ去られている日本文化。

おかみさんたちがみんなで近所の子どもたちを見守るような、日本のかつての子育て文化をブラッシュアップしたい!そんな想いで作られたという、ザ!路地裏長屋式の園舎!

 

 

お家の延長のような形で過ごして欲しいという想いから、2歳児クラスも含めて3歳から5歳の縦割りクラスで何と!一クラスで一軒ずつ! 

 

もはや本当にお家のようです。

 

お昼寝をしない年長さんたちが1時間だけみんなと同じことをして過ごす場所。活動の内容はみんなで一緒に話し合って決めているそうです。

(ちなみにこちらは何と!江戸時代から残されている建物だそう!主家を含む7棟の建物は国の登録文化財に指定されているそうです)

 

 

 

そういえば子どもたちの遊んでいる声はたくさん聞こえたけれど、先生たちの大きな声は一切聞こえませんでした。

保育士たちはあちこちにいたけれど、先生という感じではなく。まるで近所のお母さんのような感じで自然に子どもたちととけこんで遊んだり見守ったりしていて、そこには上下関係のないゆったりとした時間が流れていました。

 

ある1歳くらいの男の子が園庭でほうきなど掃除用具が置いてある場所からほうきを取り出して、ほうきを持ったまま腕を上に持ち上げていました。

それを見て(もしかして、この後振り回すのかな?!)と内心ヒヤヒヤしたのですが、先生たちはその子の様子を見守りながらも何も言いません。

そしてある一人の先生が「〇〇君、お掃除してくれるの?ありがとう!」というと、その子は持ち上げていた腕をおろし園庭をほうきで掃き始めました。すると周りのお友達もどんどんほうきを取りに行き、園庭のお掃除ごっこに発展していました。

普通なら「危ない!」と言ってほうきを取り上げてしまいそうな場面ですが、その子はきっと本当にお掃除がしたかっただけ。いつも先生がやっているのを見ているから自分もやってみたかっただけなのかもしれません。

もしもそこで大人がその子からほうきを取り上げてしまっていたら、その子のほうきで掃くをやってみたい!といった好奇心や意欲の芽はきっと摘み取られてしまっていた事でしょう。

やり方を知らないならやり方を教えてあげれば良いだけ。

口出しせずに見守ることで、子どもの好奇心や意欲の芽が守られた瞬間を見せて頂きました。

 

本の著書、大川繁子さんにはその日は残念ながらお会いすることは出来ませんでしたが、園長の大川真先生にたっぷり貴重なお話を伺うことが出来ました。

 

アドラー心理学もモンテッソーリ教育も、第一人者の方のお弟子さんのような形でだいぶ古くから学ばれてきたそうで、知らなかったこともたくさん教えて頂き学びが広がりました。

そして、アドラー心理学やモンテッソーリの考え方はやはり世界平和にも繋がることを改めて再確認し、私も今後も仲間と共に広げていく活動をしていきたい!と改めて感じました。

 

小俣幼児生活団のホームページはこちらです>>

 

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