保育士研修の事例|アドラー心理学を活かした園内研修1年間の取り組み
本記事では、鹿児島県の保育園で実施したアドラー心理学を活かした年間保育士研修の事例を紹介。現場での実践にどうつながったのか、学びのプロセスも含めて詳しく解説します。
【目次】
1.アドラー心理学を活かした保育士研修を1年間実施
2.鹿児島での基礎研修
3.オンラインでの応用研修
4.年間を通して扱ったテーマ
5.1年の学びを土台に次年度へ
6.最後に
7.保育士研修・園内研修のご案内|外部講師をお探しの方へ
アドラー心理学を活かした保育士研修を1年間実施
昨年の2月から1年間、鹿児島県の保育園さんにて、アドラー心理学を活かした保育士研修を年間プログラムとして実施させていただきました。
今年2月にすべての研修が終了し、来年度も継続して関わらせていただくことになりました。
今回の研修は、子どもとの関わりだけでなく、保育士自身の考え方や職員同士の関係にも活かせるアドラー心理学を
園全体で取り入れていきたいという園さんの想いからスタートしました。
この1年間で大切にしてきたのは、まず考え方を知ること。そしてその上で、「現場でどう活かすか」まで考えていくことです。
関わり方や言葉がけは、一度聞いただけですぐに変わるものではありません。実際にやってみて、それをまた持ち寄って考えていく。その繰り返しの中で、少しずつ腹落ちしながら実践として定着していくものだと感じています。


鹿児島での基礎研修
最初の2月には土日を使って、鹿児島にて対面での基礎研修を2日間行いました。
対面での基礎研修のレポートはこちら>>>
基礎研修では
・子どもの行動を理解すること
・聴き上手になる
・子どもに伝わりやすい言葉がけ
保育の土台となる部分を、ワークを交えながら整理していきました。
参加された先生からは、
「グループワークが多かったので、とても楽しく参加できました。1日があっという間でした」
「叱らない保育はとても奥が深いと感じました。とても分かりやすいお話で、夢中になって話を聞いていました。ワークで考える時間も楽しかったです。」
「具体例をたくさん聞けて、実際の保育に活かせる内容がたくさん知れて良かったです」
といったお声もあり、それぞれが“できることからやってみる”という一歩を持ち帰っていかれたように感じます。


オンラインでの応用研修
その後、5月からはオンラインでの応用研修を行いました。実施にあたっては、園の方で午睡の時間を活用しながら、職員の皆さんが半分ずつに分かれ、それぞれ別日に参加する形で、同じ内容の研修を2日間に分けて実施させていただきました。
研修では毎回、グループワークの時間も大切にしてきました。
「この間、クラスでこんな場面があって…」
といった具体的なエピソードを出してくださり、それぞれの現場に当てはめながら考える時間もつくってきました。
また、ケーススタディも取り入れながら、
「この考え方を当てはめるなら、この場面ではどんな対応がよいのだろうか」
と、先生方同士で意見を出し合いながら考える時間も多く設けました。
グループでの話し合いの後には、全体で共有する時間も設けていましたが、
先生方それぞれの気づきに触れる中で、新たな視点に気づかされる場面も多く、私自身にとってもとても学びのある時間になっていました。
1年間の研修を通して印象に残っているのは、先生方がご自身の保育を振り返りながら学びを受け取ってくださっていたことです。
研修で新たな視点や引き出しが増えることで、日々の保育の中でも立ち止まって振り返ったり、「この場面だったらどう関わろうか」と考えたりするきっかけにつながっていきます。
研修の時間がただ知識を得る場ではなく、それぞれの保育に照らし合わせながら、先生同士で共に考える時間になっていたのではないかと感じています。
年間を通して扱ったテーマ
年間を通して扱ったテーマは、
- 子どもの発達をサポートする環境づくり
- 乳児の発達と遊び
- 子どもの自信を育む褒め方・勇気づけ
- 発達に特性のある子の保育
- 子どもを尊重する関わり方
- チームワークの土台となる、それぞれのものの見方の違い
- アサーティブコミュニケーション
など、日々の保育に直結する内容でした。
後半のチームワーク研修では、
それぞれのものの見方や価値観の違いと向き合うことを土台にしながら、
アサーティブコミュニケーションにも取り組みました。
同じ出来事に出会っても、それをどう捉えるかは人によって異なります。
実際に参加された先生からは、
「同じ場面でも、人によってこんなふうに捉え方が違うのだと気づいた」
「自分ひとりの考え方が全てではないと感じた」
といった声もありました。
ものの見方や捉え方・価値観は、一人ひとり違っていて当たり前のものです。
それを一致させることは出来なくても、「どう感じているのか?」「どんな風に捉えているのか」
お互いに聴き合ったり、知ろうとすること。
その関わりの積み重ねが、お互いを理解することに繋がり、職員同士の協力関係を育てながらチームとしての保育の土台になっていくのだと感じました。
1年の学びを土台に次年度へ
1年間、園の皆さまで研修を受けていただき、研修の修了後には
「この研修での学びを、今年1年間だけで終わりにしてしまうのは勿体ない。」
「1年間の学びを土台に、園全体で学びをさらに深めていきたい」
という嬉しいお声をいただき、今年度も継続して関わらせていただくことになりました。
今年度は、2か月に1回のペースで研修を通してサポートさせていただきます。
最後に
実際の保育現場では毎日色々な事があると思いますが、日々、子どもたちと向き合いながら関わりを考え続けてこられたその積み重ねこそが、何より大切な実践なのだと感じています。
研修の中では、「当たり前のことに注目する」ということを何度もお伝えしてきました。それは子どもたちだけでなく、職員同士の関わりの中でも、そして何より自分自身に対しても同じです。
当たり前にできていること、何気なくやっていることの中にも、たくさんのプラスの要素が隠れています。
その一つひとつに目を向けながら、
「できていること」
「少しでも前に進めていること」
に気づき、まずは自分自身を勇気づけていくこと。
その積み重ねが、子どもたちへの関わりにも、園全体の空気にも、少しずつ広がっていくのではないかと感じています。
この1年間の学びが、これからの日々の保育の中で、それぞれの形で生きていくことを願っています。


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