子どもを変えない保育の実践~アドラー心理学に学ぶ子ども主体の関わり~

保育現場で、例えば ☑何度伝えても、また同じことを繰り返す。 ☑友だちとのトラブルが続く。

そんな子どもの姿を前に、「どう関わったらいいんだろう?」と悩むことはありませんか?

アドラー心理学では、「子どもの行動には目的がある」という考え方があります。

この視点から子どもの姿を見てみると、子どものどんな行動の背景にも、その子なりの肯定的な願いや前向きな意図が見えてきます。

大人から見ると「困った行動」と思えるものに直面したとき 大切なのは、子どもの行動だけを切り取って見るのではなく、その行動の奥にある思いや意図を理解しようとする大人の姿勢です。

子どもを変えるのではなく、まずは大人の見方を変えてみる。 見方が変わると関わり方も変わり、保育者は子どものより良いサポーターになれます。

アドラー心理学をテーマに保育士研修を実施しました

先日、東京都・神奈川県を中心に認可保育園「明日葉保育園」を展開する株式会社あしたばマインド様の分野別研修を担当させていただきました。

アドラー心理学に学ぶ子ども主体の保育士研修にオンラインで登壇する外部講師

当日はオンラインでの実施で、平日の18時から20時までの2時間、法人内のさまざまな園から先生方がご参加くださいました。

今回いただいたテーマは、

「子どもを変えない保育の実践 ~アドラー心理学に学ぶ子ども主体の関わり~」

です。

今回の研修では、アドラー心理学の考え方の一つである「目的論」や「未来志向」の考え方をもとに、子どもの行動をどのように捉え、どのように関わっていくのか、具体的な考え方や言葉がけについてお伝えしました。

本記事では、実際に参加された先生方のお声(一部)と共に研修の様子をご紹介します。

「アドラー心理学に学ぶ子ども主体の関わり」保育士研修の資料の表紙

目的に目を向けるという気づき

日々の保育の中で、大人から見ると「困った」と感じるような子どもの行動に出会ったとき、その原因を考えることが多いと思います。

もちろん原因を考えることも、保育をする上でとても大切なことです。

その上で、今回の研修ではもう一つの視点として、「この子は何のためにこの行動をしているのだろう?」と、行動の目的に目を向ける視点をお伝えしました。

先生方からも、子どもの行動を見る視点について、さまざまな気づきの声をいただきました。

日頃の保育で思い浮かぶことが多く、とても多くの学びがありました

  • 日頃の保育(言動や行動)で思い浮かぶことが多く、とても多くの学びがありました。目的やポジティブで肯定的な願いを考え、未来志向ができるよう導きをしていきたいと思う。
  • 子どもの行動について定期的に園内でケース会議をしていますが、原因に着目する発言が多かったので、これからは「目的」を皆で考えるようにしていきたいと思います。
  • 日々の保育の中で、子どもの行動を考える際、原因を探して対応していることが多いように感じました。「目的は何か」まで考えると、言葉かけも子どもに寄り添ったものに自然と変わっていくように思ったので実践していきたいです。
  • おおもとなっているアドラー心理学をもっと知りたいと思いました。本で読んでみようと思います。

行動の見え方が変わった

子どもの行動を「困った行動」として見ていると、「どうしたらやめさせられるだろう」と、子どもを変えることに焦点が向かいがちです。しかし、「目的」に目を向けてみると、「この子は今、何を求めているんだろう」「本当は何を伝えたかったのだろう」と、子どもを理解しようとする視点に変わります。

子どもの行動にはポジティブな願いが隠れている、という言葉が印象的でした

  • アドラーにしろ、レッジョ・エミリアにしろ、子ども達を1人の人として尊重していることで、子ども達の主体的な活動を保証しているなぁーと感じました!今度はぜひ対面でお願いしたいです!
  • 子どもの行動の背景には「育とうとする力がある」という言葉が印象的でした。大人にとって好ましくない行動をしている時にも、止める前に一瞬でも「何を育てている途中か」を考えられるようにしたいと思った。
  • 子どもが自発的に繰り返しやっている行動には意味があり、その行動の背景には育とうとする力があること。行動の背景による欲求を踏まえ、環境や関わり方を工夫していく必要があると感じました。
  • 子どもの行動にはポジティブな願いが隠れている、という言葉が印象的でした。子どもたちの一見どうして??と思える行動もその子の成長の過程だと思って丁寧に見守って環境を整えていきたい。
  • 今回の研修では例題やエピソードが多かった為、背景を想像しやすくて分かりやすかったです。またその例題のほとんどが今まで経験してきたことばかりだったのでとても身近に感じられました。

「どうしたらできそうかな?」と解決策に目を向ける視点

子どもの行動の目的や願いが見えてきたら、次に大切にしたいのが「解決策」に目を向けることです。

「どうしてこうなったの?」と起きてしまったことを振り返るだけではなく、「次はどうしたらいいかな?」「どうしたらできそうかな?」とこれから出来ることに目を向けることで、子ども自身が考え、よりよい方法を選んでいけるようにサポートする。研修では、そんな「未来志向」の関わりについてもお伝えしました。

日々の声掛けを再度見つめ直すことができてとても有意義な時間でした。

  • 今回の講義を通して、アドラー心理学は「人は過去ではなく、これからどう生きるかを大切にする考え方」であることを学びました。特に印象に残ったのは、子どもを褒めたり叱ったりするだけではなく、子どもの気持ちを受け止めながら勇気づける関わりが大切だという点です。
  • 今回学んだ内容は、日頃の保育や保護者との関わりにも活かせると感じました。
  • 未来志向の声かけは、保育者もやっていくうちに徐々にスムーズに出てくるようになると思うので、早速今日からやってみたいです。
  • 印象深いことは未来志向の考え方において「自分で考えさせる」ことを重視されていた点。未来志向というとポジティブな意味で捉えがちだったが、自己解決能力そのものを指すのが自分にはあまりない視点だった。

子どもへの言葉がけを見直すきっかけに

子どもの行動をどう捉えるかが変わると、子どもにかける言葉も変わってきます。

研修では、保育現場でよくある事例をもとに、子どもの気持ちに共感しながら、どのような言葉をかけるとよいのかを考えていきました。

Iメッセージや依頼口調など、子どもと対等な関係を築くための具体的な言葉がけについてもお伝えしました。

事例に合わせて具体的な声かけが学べた

  • 子どもに対する声かけの具体例が通常よくあることばかりなので興味を持つことができた。
  • 事例に合わせて具体的な声かけを教えていただいたので、すぐにでも実践していきたいと思います。とてもわかりやすく、貴重なお話を伺うことが出来て勉強になりました。
  • 依頼口調、未来志向・解決策に目を向けることを意識したらぐっと言葉かけが変わるな、と感じた。園内でも共有し同じ意識をもって子どもたちに声掛けができるようになりたい。
  • 言葉がけの例を具体的に教えてくださり、とてもわかりやすかったです。
  • 研修を受けた次の日の保育からIメッセージを意識して伝えるようにしてみました。瞬時にIメッセージに直して伝えるのが、日常化出来るように今後も続けていきたいと思いました。

グループワークでの学びも新たな気づきに

今回はオンラインでの研修でしたが、講義を聞くだけではなく、ブレイクアウトルームで先生方同士が意見を交換する時間も設けました。

同じ事例でも、立場や経験、園が違えば、見方や考え方もさまざまです。

法人内のさまざまな園の先生方の考えに触れることで、自分にはなかった視点に気づいたり、「同じようなことで悩んでいるんだ」と感じたりする時間にもなったようです。

様々な視点から考える事ができた

  • 若い先生とベテランの先生では課題の捉え方も違って興味深かったです。時代に合わせて価値観を更新してしていくことも大切なのかと思いました。
  • 他園の先生方の意見なども聞くことができてとても有意義な時間でした。
  • 様々な視点から事例について考え、新たな視点で考えることができた。
  • ケーススタディも日頃よくあるケースが取り上げられており、現場の今に寄り添ったものだったので、皆さんと色々お話しながら考えることができ、とても有意義でした。

子どもの行動には、その子なりの理由があります。

子どもの行動だけを見るのではなく、その奥にある意図や思いに目を向けること。

そんな風に子どもを理解しようとする大人の眼差しが、子どもとの関わりを変えていくのだと思います。

子どもを変えるのではなく、まずは大人が子どもを見る視点を変えてみる。

これからも、そんな子どもの見方や関わり方を、保育に携わる先生方へお伝えしていきたいと思います。

保育士研修をご検討の園さまへ

子育てと保育の学び舎cocoroneでは、アドラー心理学をベースに「子どもとの関わり」や「チームづくり」など、保育現場の課題に合わせた研修を行っています。

大切にしているのは知識を学ぶだけで終わらず、「明日からやってみよう」と思える実践につなげることです。 そのため、講義だけではなく、ケーススタディやグループワークも取り入れ、先生方同士で考え、対話をしながら学びを深める時間も大切にしています。

研修テーマは、今回ご紹介した「子どもの行動理解」のほか、

    • 子どもとの関わり方・言葉がけ
    • 子どもの自信を育む褒め方・勇気づけ
    • 保護者支援
    • 不適切保育の予防
    • 職員同士のコミュニケーション など

園の課題やご希望に合わせて内容をご提案しています。

「こんなテーマで話してほしい」「まずは相談してみたい」という段階でも大歓迎です。

保育士研修をご検討中の園さまは、お気軽にお問い合わせください>>>

●「子どもの行動理解を深める研修」の詳しい概要はこちらに載せています>>>

保育現場の課題や雰囲気に合わせて、内容をオーダーメイドで設計しています