【小田原市】保育士研修を実施しました|子どもへの言葉がけ(前編)
小田原市の保育園さんにて、土曜日の一日を使って【優しい保育】というテーマで研修を担当させて頂きました。午前中は「子どもへの言葉がけ研修」を行い、午後は「チームワーク研修」を実施しました。
今回の記事では、午前中に行った「子どもへの言葉がけ研修」の様子をご紹介します。
目次
子どもへの言葉がけ
保育の現場では、子どもたちに毎日伝えたいことがたくさんありますね。そんな中で
最近、一方的な指示が多くなってしまっているような気がする。
もっと他に伝わる言い方ややり方があったのかな。
そんな風に感じてしまうことはありませんか?
集団の中でみんなが気持ちよく過ごせるように、子どもたちの成長を支えられるように。そんな思いで毎日子どもたちと関わっているからこそ、
「どんな言葉がけなら伝わりやすいのかな?」
「余裕がない時やトラブルが起きた時は、どう対応したらいいのだろう?」
と悩む瞬間があるのではないでしょうか。
今回の研修では、園さんが保育理念としても日頃から大切にされている【優しい保育】をテーマに行いました。主に次の4つを柱に学びました。
- 子どもに伝わりやすい言葉がけの工夫
- ロールプレイで子どもの気持ちを体感する
- ケーススタディ×グループワークで考える
- 「褒める」と「勇気づけ」の違いを知る
子どもの気持ちを受け止めることから始まる言葉がけ
「子ども一人ひとりの育ちを支える保育」
「子どもにやさしい保育の実践」
これは今回お招きいただいた保育園さんが、日頃から大切にされている考え方です。
子ども一人ひとりを尊重し、安心できる関わりを大切にされている園さんだからこそ、先生方もご自身の保育と重ねながら、とても熱心に研修にご参加くださいました。
今回の研修では子どもの気持ちを受け止めながら伝えることについても考えました。
子どもに何かを伝えたい時、私たちはつい「どう伝えるか」に意識が向きがちです。しかし、伝える前にまず「聴くこと」や、子どもの話を受け止めることが、言葉がけの土台になります。
研修では、保育者役と子ども役の両方をロールプレイで体験していただきました。実際に子どもの立場になって言葉を受け取ってみることで、普段は気づきにくい子どもの気持ちや受け取り方について考える機会となりました。

先生方のお声
・ロールプレイで子ども役をやった時に、実際に子どもの気持ちになって体感してみると、否定的な言い方をされるとモヤモヤする気持ちになった。今回学んだことを子どもたちとの関わりに活かしていきたいです。
・ロールプレイで自分が子どもの立場になった時に初めて感じた思いがあり、とても勉強になりました。今後も自分の思いを子どもに伝えつつ、子どもたちの気持ちに寄り添いながら保育をしていきたいと思いました。
子どもに伝わりやすい言葉がけの工夫
やめて欲しいことを、ただ「ダメ!」と伝えるだけでは、子どもにとっては、具体的にどうしたら良いのかが伝わりにくいことがあります。
たとえば「走らないで」よりも「歩こうね」など肯定語で伝えたり、やって欲しい行動を具体的に伝える方が、子どもには届きやすくなります。
研修では日々よく使う言葉を振り返りながら、否定語を肯定語に置き換えるワークや、具体的に伝える声がけ変換にも取り組みました。
知っていることと、咄嗟に使える言葉は違います。だからこそ、子どもに伝わる言葉のレパートリーを日頃から意識して増やしておくことが、忙しい保育の中での関わりを支えてくれます。

先生方のお声
・自分では肯定語を使うことを日頃から意識していましたが、否定語を肯定語に変換するワークをやった時に、結構否定語で言ってしまっているものもあったかもしれないな、と改めて意識することができました。
・日々考えながら子どもたちに声をかけていても、一人ひとり感じ方が違うのだということが分かりました。IメッセージやYOUメッセージを参考にしながら声かけに役立てていきたいです。
ケーススタディで、実際の保育場面をもとに考える
研修の後半では、グループワークでケーススタディーにも取り組みました。
現場でよくある保育場面をもとにしたケーススタディをもとに
「こんな場面の時は、自分ならどんな言葉をかける?」
「子どもの気持ちはどこにあるかな?」
「安全や集団生活のことも伝えたい時、どう関わるのがいいのかな?」
先生方それぞれの経験を持ち寄り、同じ場面を違う角度から見てみる対話の時間です。
グループワークでは活発な意見交換が行われ、それぞれの保育経験を共有しながら学びを深めました。
研修は、講師から答えを渡す場ではなく、現場の先生方が引き出しを増やしていく場。そんな時間を大切にしています。

先生方のお声
・テキストの中に、いつもやりがちな言葉が書いてあったり、どう言い換えをしたらいいのかも書いてあって、とても分かりやすかったです。グループワークでも他の先生の意見を聞くことができて「そういう考えもあるのか!」「おもしろい!」と感じました。
・グループワークの中で体験して感じ、気づくことが多々あり、分かりやすかったです。
・ケースが保育園でよくある事例だったので分かりやすく、考えやすかったです。
・現場でありがちな事例がたくさんあり、グループで他の職員の考え方などが聞けて、学びが広がり楽しかったです。
「褒める」と「勇気づけ」の違い
「すごいね」「えらいね」——子どもが頑張った時、自然と出てくる言葉です。
もちろんその言葉が子どもの励みになることもあります。一方で、勇気づけでは結果だけではなく、そこに至るまでの姿勢やプロセス、意欲や工夫、気持ちそのものに目を向けていきます。
ロールプレイで実際に言葉を受け取る側を体験すると、その違いがより分かりやすくなります。
子どもを評価する言葉ではなく、子どもの力を信じて支える言葉。それが、優しい保育の中で大切にしたい勇気づけの関わりです。
先生方のお声
・【褒めると勇気づけ】の違いも、ロールプレイで実際にやってみると、勇気づけの声がけの方が嬉しいなと感じました。「ハイタッチ」などの動作も取り入れるとより嬉しいかもと感じたので、すぐにやってみたいと思いました。
・子どもへの褒め方や勇気づけ方なども、とても勉強になりました。家庭でも、自分の子どもにも使ってみたいと思いました。また、YOUメッセージで言いがちなことも多かったですが、Iメッセージを使っていこうと思いました。
・子どもへの言葉がけでは、共感をしてあげることや勇気づけの言葉を意識してたくさん使っていきたいなと思いました。
その他いただいたご感想

・コミュニケーション3つのステップや、まず共感をして、子どもの耳と心が開いてからお話をするといった言葉が印象的でした。毎日の保育の中でどうしても否定的な言葉を使ってしまうことも多いので、肯定語で伝えていけるようにしたいと思いました。
・先生の穏やかな口調や話し方がとても聞きやすくて分かりやすかったです。グループワークも自分とは違う考えを聞けたので、色々な発見があって楽しかったです。
・アドラー心理学を今回の研修で初めて知ることが出来て良かったです。また、グループワークを通して普段の保育や言葉がけを振り返るきっかけになったのと共に、他の人の意見を聞けて考えが広がりました。
・資料の中に、保育現場だけでなく、自分の子どもたちにもいつも言っている言葉がたくさん書いてありました。主語を変えてみたり、未来形に変えることで、言われた側もこんなに捉え方が変わるんだなと思いました。
まとめ
今回の研修では、「優しい保育」をテーマに、子どもに伝わりやすい言葉がけや、子どもを勇気づける言葉がけを中心に学びました。
言葉がけは、単なるテクニックではありません。子どもと大人がどのような関係性の中で言葉を交わしているのかによって、同じ言葉でも伝わり方は変わります。
今回の研修では、子どもに伝わりやすい言葉がけだけでなく、子どもを一人の人として尊重し、気持ちを受け止めながら関わることの大切さについても考えました。
まずは子どもの気持ちを受け止めること。そして、安心できる関係性の中で伝えること。その積み重ねが、子どもとの信頼関係や安心できる保育に繋がっていきます。
先生方が熱心にグループワークへ参加され、日々の保育を振り返りながら学びを深めている姿がとても印象的でした。
午後に実施した「チームワーク研修」の様子については、次回の記事でご紹介したいと思います。

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