【小田原市で保育士研修】チームワークを高めるアサーティブコミュニケーションとDESC法(後編)

小田原市の保育園さんにて、土曜日の一日を使って【優しい保育】というテーマで研修を担当させて頂きました。午前中は「子どもへの言葉がけ研修」を行い、午後は「チームワーク研修」を実施しました。

今回の記事では、午後に行った「チームワーク研修」の様子をご紹介します。

職員間で伝え方に悩んでいませんか?

保育の現場では、子どもたちを複数の保育士で見ています。

価値観や考え方、経験年数、立場の違いなど、さまざまな視点が関わる中で保育が成り立っています。

新人の先生、ベテランの先生、担任、フリー、常勤、非常勤。

それぞれの立場があるからこそ、

「こうした方がいいと思うけど、言っていいのかな…」
「本当はこう思っているけど言えない」

そんな経験をしたことがある方もいるかもしれません。

こうした“言えなさ”や“伝えにくさ”は、実はチームの関係性の中で生まれていることもあります。

今回の研修では、

・それぞれの物の見方や捉え方の違いを知ること
・まずは自分の気持ちを理解すること
・そのうえで、何を伝えたいのかを明確にすること

そうした土台を大切にしながら、

アサーティブコミュニケーションやDESC法を通して、伝え方についても考えていきました。

小田原市の保育園でチームワーク研修を受けている保育士たち

認知のメガネ

私たちはみな、それぞれのオーダーメイドの眼鏡で世界を見ています。
起こった出来事や体験したことは同じでも、それをどう捉えるか、どう意味づけをするかは人によって様々です。

これは保育の場面でも同じことが言えます。
子どもの姿や保護者の態度、職員の動きなど、同じ状況や場面を見ていても、感じ方や受け取り方は先生それぞれで違います。

「こうするべき!」「普通はこう!」と感じることも、もしかしたら別の職員にとっては違う見え方をしているかもしれません。

ものの見方や捉え方・価値観の部分を一致させることは難しくても、

「相手は、どんな捉え方をしているんだろう?」と視点を広げてみること。

「他の先生たちはどう感じているんだろう?」と立ち止まってみること。

そんな視点を持つことが、対話のスタートになります。

 

小田原市の保育園で園内研修に参加する保育士

先生方のお声

・グループワークが面白くて楽しかったです。それぞれの物の見方があるように、一つにとらわれてはいけないと改めて感じました。広い視野とお互いを認め合えるような考えでこれからもいきたいと思います。

・子どもや職場の人との関わりの中で、共感する気持ちをもって接することの大切さを改めて感じました。子どもも大人もそれぞれ違う性格や個性を持っていることを意識しながら、これからの声のかけ方や関わり方に活かしていきたいです。

・考え方は人それぞれで多様であると感じました。また対等に相手の気持ちを大事に丁寧に伝えたい

保育現場に活かすアサーティブコミュニケーション

見方や捉え方が人それぞれ違うからこそ、次に大切になってくるのが「どう伝えるか」です。

例えばこんな経験、ありませんか?

  • 思うことがあっても、その先の人間関係を考えると言えない
  • 立場や経験年数などを考えて、伝えることに躊躇してしまう

一方で

  • つい強く言いすぎてしまって後から後悔する
  • もっと上手な言い方があったのではないかと、後でモヤモヤする

そんな時に大切になるのが、アサーティブコミュニケーションです。

アサーティブコミュニケーションとは、自分の気持ちや考えを大切にしながら、相手の気持ちや考えも大切にして伝える関わり方です。

自分だけを優先するのでもなく、相手に合わせて我慢するのでもなく、お互いを尊重しながら伝え合うこと。

それが、安心して意見を言い合えるチームづくりにつながっていきます。

小田原市の保育園で保育士研修を実施している井上エリ

先生方のお声

・相手が大人でも子どもでも最終的には伝え方や自他尊重の気持ちは変わらないのだと感じました。相手を傷つけずに自分の気持ちを伝える方法を学べたので、やってみたいと思います。

・保育の場においてチームワークは必要不可欠なので、相手の気持ちを聴きながら自分の気持ちも発信し、よりよいチームワークにしていければと思います。

対話を支えるDESC法

アサーティブコミュニケーションを実践するうえで、具体的な伝え方のひとつとしてお伝えしたのが「DESC法」です。

DESC法は「相手を説得するための技法」と思われがちですが、決してそうではありません。相手を誘導したり、自分の思うところに行かせるための方法ではなく、

自分の気持ちや考えを大切にしながら、同時に相手の気持ちや考えも尊重する。
そのうえで、今の自分たちにとっての最適解を一緒に探していくためのやり取りです。

対話というのは、一方が話して、もう一方が受け取るだけのものではありません。

お互いがアサーティブに「聴くこと」、アサーティブに「伝える」ことで成り立っています。

そのやり取りの中で、少しずつ関係性がつくられていきます。

今回の研修では、現場でありがちな事例を通して、DESC法を使った具体的なセリフづくりにも挑戦していただきました。

グループワークの中で

・自分の気持ちをどう言葉にするか
・相手にどう伝えると伝わりやすいか
・お互いが納得できる形はどこか

を考えていきました。

 

小田原市の保育園で言葉がけ研修にさんかする保育士

小田原市の保育園で優しい保育をテーマに意見交換する保育士

先生方のお声

・保育をする中で複数担任だと意見も色々あるのでDESC法などを使ってお互いが納得し、気持ちよく動ける環境を心がけたいです。

・グループワークがたくさんあり、聞いているだけではなく、他の先生の意見も同時に聴くことができたのでためになりました。DESC法は色々な活用方法がありそうなので今後使っていきたいです。

・心理学やアサーティブコミュニケーション、DESC法など初めて聞く言葉や内容があり、とても勉強になりました。自分自身のことも理解して、コントロールし、人と向き合えるようにしていきたいです。

その他いただいたご感想

小田原市の保育園で園内研修の様子

・研修でお話を聞いていて、「本当にそうだな」と思うことが多く、「確かに」「そうだったな」と振り返ることもあり、初心を忘れてはいけないと感じました。

・保育園だけでなく家族や子どもに対してもこんな言葉を言っているなと思う事もあり、家庭でも気を付けていきたいなと思いました。グループワークを通して色々な先生の意見も聞けてこんな考えもあるんだと気づいたり、面白くて楽しい研修でした。

・グループワークが多くて楽しかったです。説明もとても分かりやすかったです。

・資料がとても分かりやすかったです。また、事例を通して考えるきっかけがたくさんあったので、楽しく学ぶことができました。普段一緒に保育をしていない他のクラスの職員の考えを聞けたり、話したりすることが出来て良かったです。とても有意義な時間でした。

まとめ

チームで保育をしていく中で、考え方や感じ方の違いがあるのは自然なことです。

だからこそ大切なのは、「違いをなくすこと」ではなく、「違いがあることを前提にしながら、どう対話を重ねていくか」ということ。

今回の研修では、

  • それぞれの見方や捉え方の違いに気づくこと
  • 自分の気持ちを理解し、伝えたいことを明確にすること
  • 自分も相手も大切にしながら伝えること

そうした土台を大切にしながら、自他尊重のコミュニケーションについて考えていきました。

日々の保育の中で、「どう聴くか」「どう伝えるか」を少し立ち止まって考えるきっかけになっていれば嬉しいです。

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