乳児の発達と遊び|アドラー心理学を土台にした保育士研修レポート【0~3歳の育ちを支える】
先日は、年間でサポートをさせて頂いている鹿児島県の保育園さんにて、定期研修の第5回目をオンラインにて実施しました。
今回のテーマは「乳児の発達と遊び」

(お子さんたちの午睡の時間を使った研修だったので、2日間に分けて、同じ内容の研修を実施しました)
乳児期の発達は、私自身の専門分野のひとつでもあり、とても思い入れのあるテーマです。
特に0〜3歳の育ちについては、小さなお子さんと関わるすべての方に、もっと知っていただきたい。
そんな想いがずっとあって、今回こうしてお話しする機会をいただけたことが、本当に嬉しく、ありがたく感じています。
0〜3歳は「全力で自分をつくる」時期
0〜3歳の子どもは、“自分で自分を全力でつくっていく”特別な時期です。
身体も目に見えて出来るようになることも、この時期大きく変化していきます。ねんね期の赤ちゃんが、「見る」ことが出来るようになり、あれに触りたいと腕を伸ばすことから始まって、「触れる」「握る」が出来るようになって、
そして、ズリバイ、ハイハイ、つかまり立ち~伝い歩き、初めての歩行。
歩けるようになると、見える世界が一気に広がり、行動範囲も広がりますね。
そんな風にして、目に見える「できること」がどんどん増える一方で、同時に、目には見えない「精神面」もぐんぐん成長しています。
しかし、大人の目には分かりづらくて、
「なんでそんなことするの?」「どうして今、泣くの?」と戸惑ってしまうことも少なくありませんよね。
だからこそ、身体の発達と同時に成長している精神面の発達も大人が知っておくことは、とても大切だと感じています。

月齢ごとに見えてくる、心と身体の変化
研修では、0歳から3歳までの発達を、身体面の発達と精神面の発達の両面から丁寧にたどっていきました。
どんなふうに世界を感じていて、どんな体験を求めていて、どんな関わりが、その子の「今」にちょうどいいのか。
そんなことを、月齢ごとに一つひとつ紐解きながら、
- その時期に合った大人の関わり方
- 月齢ごとの環境づくりのヒント
- 発達段階に見合ったおすすめの玩具なども、具体的にご紹介しました。

(ほんの一部だけご紹介)
今回ご紹介したおすすめの玩具は、これまでに私自身が我が子たちに作ったものや、保育園で子どもたちに届けてきた手作りの玩具たちです。実際の写真も資料の中にたくさん載せて、フル活用させていただきました。
「なぜこの時期にこの遊びがいいのか?」
「どんな力が育つのか?」
そんな視点を交えながら、一つひとつ解説しています。
すべて、発達の視点に基づいた“意図のある遊び”。
どれも現場ですぐに取り入れられるものばかりです。
「さっそくやってみます!」と嬉しいお声もいただきました。
グループワークでは、現場ならではの悩みもシェア
研修の後半にはグループワークの時間も設けました。テーマは1〜2歳児によく見られる関わりの悩みや工夫について。それぞれの経験をもとに、自由に意見を出し合っていただきました。
たとえば…
・お友だちとトラブルになった時の対応
・「イヤ!」が止まらない2歳児への声かけ
・遊び食べへの対応など。
どのグループも、これまでの研修の内容をしっかりと活かしながら、
「こういうとき、うちではこうしてみたよ」「それ、いいですね!」と、
温かく、前向きなやり取りがたくさんありました。
先生方の、子どもたち一人ひとりを大切に見つめるまなざしや、
日々の保育に込めている思いが伝わってきて、聞いているこちらまで嬉しくなる時間でした。
発達を知ると、保育がもっとやさしくなる
子どもの発達を知ることは、大人の子どもを見るまなざしそのものを変えてくれる。
私はそう感じています。
マリア・モンテッソーリは、0歳から3歳までの時期の子どもを「無意識的創造者」と呼び、
「吸収する精神(Absorbent Mind)」という特別な感受性が働く、人生で非常に重要な時期だと述べています。
子どもたちは、目に映るもの、耳に届く音、そばにいる大人の表情やまなざし、声のトーンまで——
まわりの環境をそのまま受けとり、まるごと吸収しながら、自分という存在をつくり上げていくのです。
だからこそ、どんな空間で過ごすか(物的環境)はもちろんのこと、どんな大人と過ごすか(人的環境)も、とても大切な要素になります。
そのためにまず大切なのは、私たち大人が”子どもを正しく理解する目”を育てること。
その土台になるのが、「心と身体の発達を知ること」だと感じています。
たとえば、「困った行動」が、
実は「そうする理由のある姿」なんだと気づけたとき——
叱るよりも、“支える”関わり方が、自然とできるようになります。
保育って、本当に奥が深くて、時に悩みも尽きません。
でも、発達という軸をもって子どもを見ていくと、私たちが見える世界も、関わり方もきっと変わっていく。
そんな視点を、この研修を通して少しでもお届けできていたら、とても嬉しいです。

最後に|子どもたちの「今」に寄り添える保育を
保育士さんはもちろん、保護者や子育て支援に関わるすべての方に、
この学びが広がっていくことを願っています。
- 「子どもの心をもっと理解したい」
- 「叱らずに、子どもに寄り添う保育がしたい」
- 「保育の土台をチームで学び直したい」
そんな園さんがいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にお問合せください。
子育てと保育の学び舎cocoroneでは、「丁寧な保育」「子どもを尊重する保育」アドラー心理学を活かした「言葉がけ研修」「勇気づけ研修」など、保育士さんたちのスキルアップと現場の課題解決に役立つ様々な研修をご提供しております。
東京都内や神奈川県横浜市や川崎市など近隣地域の保育園さんをはじめ、遠方への出張やオンラインでも多数ご依頼を頂いております。研修の資料請求は下記をご覧ください。
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