茨城県神栖市|保育士研修レポート【丁寧な保育と子どもの声を聴く聴き方】
丁寧な保育・保育士研修|第2回目|聴き上手になろう
8月の終わりに、茨城県の萬徳寺保育園さんにて、2日間の研修で登壇させていただきました。
「丁寧な保育」というテーマで定期研修を担当させていただいています。第2回目だった先日の研修テーマは「聴き上手になろう」
アドラー心理学をベースに、“子どもの心に届く聴き方”を先生方と一緒に学び合いました。


午前中は保育の様子を見学させていただき、フィードバックや保育環境についての簡単なアドバイスもさせていただきました。
連日の猛暑で外遊びが難しい中でも、室内の掲示や制作物、コーナー保育の工夫、遊びのアイデアなど、先生方が子どもたちの毎日を豊かにしようと工夫されている姿が随所に感じられました。



(木のぬくもりと温かみのある素敵な園舎)
担当制保育やコーナー遊びなども取り入れていらっしゃり、子ども主体の優しい保育を理念に掲げていらっしゃるとても魅力的な園さんです。
印象的だったのは、先生方が子どもたち一人ひとりの小さな声を丁寧にひろっていらっしゃることです。
ちょっとしたつぶやきや仕草にも目を向け、そこから興味や活動へとつなげていく姿勢は、とても自然に「子どもの声を聴く保育」につながっていると感じました。
今回の研修テーマである“聴き上手”にも通じる部分であり、私自身も学ばせていただくことが多かったです。
ロールプレイで気づく「聴き方の力」
研修の前半は、ロールプレイから始まりました。
否定される対応、ながら聞き、反応が乏しい対応…。
子ども役をした先生からは、
- 寂しい
- 受け止めて貰えていない感じがした
そんな率直な声が出ました。
一方で「嫌だったね」「悲しかったんだね」と共感的に受け止めてもらうと、表情が自然と和らぎ、場の雰囲気まで変わるのを感じました。
先生方ご自身が体感したことで、「大人の聴き方ひとつで、子どもの気持ちが大きく変わる」ことを実感されたようでした。


(ワークで実際に体験しながら学び合いました)
聴き上手の基本と「共感ファースト」
体験の後は、聴き上手になるための基本スキルを整理しました。例えば・・・
-
子どもの言葉を繰り返す オウム返し
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途中で遮らず 最後まで聴く
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あいづちや頷き、表情などの 非言語的サイン
-
子どもの目の高さに合わせる姿勢
-
子どもの話の枠内で行う質問
そして皆さんの心に特に残ったキーワードが 「共感ファースト」 だったようです。
保育の現場では、つい「言い聞かせなくちゃ」「ちゃんと伝えなきゃ」と一生懸命になってしまう場面も少なくありません。
でも、まずは子どもの気持ちを受けとめて寄り添うことが大切だと、改めて感じました。
子どもの小さな声に耳を傾けて、まずは受け止めることで、子どももまた
大人に対して「耳と心」を開いてくれるきっかけになります。
共感とは「相手の目で見て、相手の耳で聴いて、相手の心で感じること」
子どもの気持ちを受けとめて寄り添うことが、安心と信頼につながるのだと、先生方と一緒に確認することができました。
子どもは大人の“聴き方”を見て育つ
あるグループでは、「話すのは大好きだけれど、お友達の話を聴くのが苦手な子」の話題が出ました。
その中で、先生方からはこんな気づきが共有されました。
大人に丁寧に聴いてもらう経験を重ねた子は、「聴いてもらえるって嬉しい」と感じ、やがてこんな風に自分も、お友達の話も聴いてみようと思えるようになるのではないか。
これは私が伝えたのではなく、先生方ご自身の言葉です。
子どもは、日々大人の姿から多くを感じ取り、それを自分の関わりの中に自然と生かしていきます。
だからこそ、大人の“聴き方”が子どもの“聴く力”を育てる土台になるのだと、私も改めて気づきをいただき、胸が熱くなりました。
自分自身への共感も忘れずに
研修の最後に、子どもへの共感と同じくらい大切な、自分自身への共感(セルフ共感)のお話もさせて頂きました。
「子どもの話を聴いてあげたいけれど、余裕がなくて難しい」そんな時もありますよね。
そんな時こそ、自分の心の声も丁寧に聴いてあげられたらいいですね!
「そうだよね!今、ちょっと余裕ないよね」
「そんな中でも、良く頑張っているよね、私!」
そんな風に、自分自身へ共感すること(セルフ共感)もとても大切です。
自分の心の声に耳を傾け、自分にも優しい言葉をかけてあげることが、子どもに寄り添うための余裕にもつながります。
おわりに
今回の研修では、先生方が互いに学び合い、たくさんの気づきをシェアしてくださったことがとても印象的でした。
勇気づけを、次はあなたの園でも取り入れてみませんか?
保育士さんはもちろん、保護者や子育て支援に関わるすべての方に、
この学びが広がっていくことを願っています。
- 「叱らない言葉がけを実践したい」
- 「一人ひとりの子どもに寄り添う保育がしたい」
- 「保育の土台をチームで学び直したい」
そんな園さんがいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にお問合せください。
園全体で取り組めば、子どもたちの自信や安心感がさらに広がります。
子育てと保育の学び舎cocoroneでは、「丁寧な保育」「子どもを尊重する保育」アドラー心理学を活かした「言葉がけ研修」「勇気づけ研修」など、保育士さんたちのスキルアップと現場の課題解決に役立つ様々な研修をご提供しております。
東京都内や神奈川県横浜市や川崎市など近隣地域の保育園さんをはじめ、遠方への出張やオンラインでも多数ご依頼を頂いております。研修の資料請求は下記をご覧ください。
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保育士研修の詳細は下記をご覧ください。
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第一回目の研修では「子どもの行動理解」をテーマに学びました。その時の研修の様子と先生方のご感想はこちらにまとめています。
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