【保育研修レポート】子どもの自信を育む「褒め方」と勇気づけの言葉がけ

子どもの自信を育む「褒め方・勇気づけ方」研修を終えて

先日は、鹿児島県の保育園さんにて定期研修で登壇しました。

「アドラー心理学を保育に取り入れていきたい」という代表者さまの思いから、今年から継続してお世話になっている園さんです。
園全体で学びに向き合おうとする前向きな姿勢が毎回伝わってきて、私もたくさん勇気づけられています。
今回もご参加いただき、ありがとうございました。

 

(午睡の時間を活用し、職員の皆さんが2つのグループに分かれて、どちらか1日にご参加いただく形で、同じ内容を2日間にわたって実施しました。)

今回の研修テーマは「子どもの自信を育む褒め方・勇気づけ方」
「勇気づけ」とは、アドラー心理学で最も大切にしている関わりの土台となるものです。

今回は知識をお伝えするだけではなく、体験を通して“子どもの気持ちに立つ”ことを意識しながら、ワークを中心に進めていきました。

オンライン越しでしたが、先生方が熱心に取り組んでくださる様子が伝わってきました。
ワークもとても盛り上がり、笑顔や気づきの声があふれる温かい時間になりました。

「えらいね、すごいね」だけじゃない関わり方

研修の最初に取り上げたのは、私たちが日常でよく口にする「えらいね」「すごいね」「上手だね」という言葉です。

褒めることも、もちろんとても大切です。
特に小さいお子さんにとっては、普段から肯定的な声かけやプラスの側面に注目をすることを積み重ねていくことは、自己肯定感の芽を育む大切な栄養。安心や自信につながる関わりです。

ただ、それが大人目線の「評価」になってしまうと「評価されるから頑張る」という気持ちになってしまうこともあります。

同じ褒めるでも、どこに注目して褒めるのかで、子どもに伝わるメッセージは変わります。

そこで、この“プラスの言葉がけ”に加えて、
「どんな工夫をしたのか」
「どんな気持ちで取り組んだのか」
など、肯定的で具体的なフィードバックをしたり、プロセスに注目をして声をかけることで、子どもの内側にある「やってみたい!」をもっと引き出すことができます。

ロールプレイで体感する“具体的な声かけ”

例えば子どもが2つの作品を持ってきて「みてみてー!」と見せてくれた場面を想定して、ロールプレイを行いました。

・「これはなあに?」
・「ここ、工夫したんだね!」
・「こっちはどんな気持ちで描いたの?」

子どもがやっていることに対して興味を持って質問を投げかけられると、子ども役を体験した先生からは、
「自分の作品に本当に興味をもって貰えた感じがして嬉しかった」
という感想があがりました。

またグループワークでは、ケーススタディも取り入れ、例えば「こんな場面ではどんな声かけが子どもの自信につながるか」を意見交換しました。

・「他の職員の意見も聞けて学びが深まった」
・「さっそく明日から実践してみたい!」

といった前向きな声も聞かれました。

「褒める」と「勇気づけ」の違いを実感

研修の後半では、「褒める」と「勇気づけ」の違いを体験ワークで学んでいただきました。

・「偉いね!やればできるじゃない!」
・「さすが年長さんだね!」

といった評価的な言葉かけと、

・「ありがとう、助かったよ」
・「一緒にできて嬉しいな」
・「頑張ってたね、見てたよ」

といった勇気づけの言葉かけ。

実際に子ども役をやってみた先生方からは、
「大人目線で評価をされるよりも、共感的に関わってもらえる方が心が温かくなった」
という感想もありました。

勇気づけは、条件つきではなく、無条件に伝えられる関わりです。
「何かができた時」や「達成できた時」といった結果に注目する関わりも、もちろん子どもにとって励みになります。
けれど、そこだけに焦点が当たりすぎてしまうと、「結果が大事なんだ」と子どもが受け止めてしまうこともあります。

本当に大切なのは結果だけではなく、自分からやろうとしたことや、自分で考えて工夫したこと
その意欲やプロセスこそが、何よりも尊くて素晴らしいですよね。

勇気づけは、まさにそんな子どもの「取り組む気持ち」「姿勢」「プロセス」に注目して伝えていく関わりです。

勇気づけが育む“つながりの実感”

勇気づけの関わりを続けていくと、子どもたちは園やクラスといった自分が所属する共同体の中で、少しずつこんな気持ちを育んでいきます。

・「仲間の役に立ててうれしい」
・「自分も誰かに貢献できる力がある」
・「お友達はみんな仲間だと感じられる」
・「ここは自分の居場所だと思える」
・「ありのままの自分を好きになれる」

こうした実感は、アドラー心理学でいう“共同体感覚”につながっていきます。
それは、役に立つ喜び・仲間とのつながりの安心感・ありのままの自分を受け入れる自己受容がそろったとき、子どもの心にしっかり根づいていきます。

おわりに

今回の研修では、先生方自身が“子ども役”を体験することで、言葉の違いがどれほど大きな影響を与えるかを肌で感じていただけました。

「やってみたい!」という声がたくさんあがり、現場での実践につながる手応えを感じています。

大人目線で評価をするのではなく、共感と感謝を土台にした関わり。
それが“勇気づけ”です。

「勇気づけは」子どもとの関わりだけでなく保護者とのコミュニケーションや職場での人間関係など、人と関わるあらゆる場面で活かすことができます。

勇気づけを、次はあなたの園でも取り入れてみませんか?

保育士さんはもちろん、保護者や子育て支援に関わるすべての方に、
この学びが広がっていくことを願っています。

  • 「叱らない言葉がけを実践したい」
  • 「一人ひとりの子どもに寄り添う保育がしたい」
  • 「保育の土台をチームで学び直したい」

そんな園さんがいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にお問合せください。
園全体で取り組めば、子どもたちの自信や安心感がさらに広がります。

子育てと保育の学び舎cocoroneでは、「丁寧な保育」「子どもを尊重する保育」アドラー心理学を活かした「言葉がけ研修」「勇気づけ研修」など、保育士さんたちのスキルアップと現場の課題解決に役立つ様々な研修をご提供しております。

東京都内や神奈川県横浜市や川崎市など近隣地域の保育園さんをはじめ、遠方への出張やオンラインでも多数ご依頼を頂いております。研修の資料請求は下記をご覧ください。

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