2歳半の娘が約束を守ってくれない。対応法は?

2歳半の子どもが約束を守ってくれない。対応法は?

2歳半の娘。「これが終わったら家に帰るよ」「あと〇回やったらお風呂に入ろう」などと最初にお約束をするのですが、結局「イヤ!」「もう一回やる!」などと言って約束を守ってくれません。満足するまで本人のやりたい気持ちを優先させた方が良いのか、約束を守らせることを重視した方が良いのか?「何でも好きにして良い」ではなく「制限の中の自由」という言葉も思い出し戸惑っています。子どもの成長の為にはどちらの対応が良いのでしょうか?
ご相談ありがとうございます。お子さんのやりたい気持ちを尊重するか、約束を守ることを教えるか、というお悩みはとても分かります。2歳半ということなので、この時期どのように関わればよいのか解説していきますね。

この時期の子どもは自分の意思を表現する力がぐんと育ち、やりたいことや好きなことに強い興味を示します。

その反面、時間の感覚や約束を守るという意識はまだまだ未熟です。

ここで無理に「約束を守ること」にこだわると、子どもの自由な発達を阻害してしまうかもしれません。

しかしだからと言って、すべてを子どもの自由にしてしまうのもやはり心配になってしまいますよね。

 

 

 

制限の中の自由

「子ども主体の保育」「自由保育」「自由なのびのび子育て」そんな言葉も最近は多く聞かれるようになりました。なので、子どものやりたい事を優先したり、自由にやらせた方が良いのではないか?などと悩む方たちも多いかもしれません。

しかし、ご相談者さまもお感じになっていらっしゃる通り、「子ども主体」や「自由」というのは、決して何でもかんでも子どもの好き放題という意味ではありません。

例えば小さなお子さんは善悪の判断もまだ分かりません。それなのに、子どもの好き放題にやらさせて大切な社会のルールを教えてあげないのは「自由」ではなく「放任」になってしまうかもしれません。

また、まだ自分の欲求をうまくコントロールできない年齢のお子さんに対して「子どものやりたい事を尊重したいから」といって、例えば家にあるお菓子を好き放題食べることを許可したり、YouTubeを夜遅くまで見放題にすることを許可するのも違いますよね。

モンテッソーリ教育にも「自由と規律」という考え方があります。自由と規律はワンセットなので、自由があるという事はそこには必ず規律があるということです。

一方アドラー心理学でも、自由と責任のバランスを重視しています。「制限の中の自由」といっても良いかもしれません。何でもかんでも好き放題ではなく、もちろん年齢にも寄りますが、枠は大人が決めてあげて、その中で自己選択をしたり子どもの自由を保障するようなイメージです。逆にこの枠がないと子どもは混乱してしまいます。

 

約束を守る練習は「見える化」がおすすめ

会話が出来るお子さんならば、少しずつ約束を守る練習は取り入れていきたいところですよね。

しかし冒頭でもお伝えした通り、年齢的にも時間の感覚や約束を守るという意識はまだまだ未熟です。「約束したんだから何としても守らせなければ!」そんな風にがんじがらめになる必要は全くありません。「約束を守ってくれたら奇跡!」くらいに大らかに捉えて、スモールSTEPで少しずつ練習していけたらいいですよね。

そして、小さなお子さんの場合のお約束はやはり「見える化」がおすすめです!2歳半ということですが、数字の概念はどのくらい理解がありそうでしょうか?

例えば「あと3回」と約束をしたとしても、2歳くらいですとその数字の意味を完全に理解出来ていないことも多いです。その場合、回数ではなく「あと1回やったらおしまいにしようね」と簡単な合図にしたり、キッチンタイマーや砂時計を使って「砂が全部落ちたらおしまいだよ」など見てすぐに分かるような視覚的な手がかりを利用するのも効果的です。時計などが分かるようになってきたら、「長い針が6になったらおしまいだよ」など伝えるのもいいですね。

 

 

そして直前に言われてもなかなか切り替えが難しいと思うので、あらかじめ出かける前などにこれからの予定などを(出来ればイラストなども使って紙に書いたりして)見える化しながらお子さんに伝えておいてあげると、見通しが持てたり、心の準備もしやすいかもしれません。

そして、一つ約束を守れたらご褒美シールをあげるなど、守れたことに対する「見える化」も良いと思います。アドラー心理学では基本的にご褒美は推奨していませんが、小さいお子さんの場合はなかなか見通しが持てないので、シールなど目に見えて分かりやすいものがある方が「出来た!」という達成感を持ちやすいです。「ご褒美」と捉えるよりも「見える化」と捉えてそういったアイテムも利用していきましょう!

勿論、少しでも約束を守れたらたくさん褒めたり、感謝の気持ちを伝えることも忘れずに。

 

楽しく切り替える工夫を

小さいお子さんは思考の柔軟性がまだまだ未熟です。目の前のやりたい事しか目に入っていない状態なので、約束をしてもなかなか切り替えるのが難しい場面が多いですよね。

そんな時は、次の楽しみを準備するのが一番!

例えばお風呂に入るのを嫌がるのならば、「お風呂でシャボン玉しよう!」と誘ったり、100均のお風呂で使える玩具をたくさんストックしておいて、毎日ローテーションしながら使ってみたりするのもいいですね。有難いことに今は100均にも、お風呂で使えるおもちゃもたくさんの種類が出ていますよね。

筆者がよくお風呂嫌いの自分の息子に使っているのが入浴剤を選ばせて自分で入れて貰う「温泉ごっこ作戦」で、これもなかなかおすすめです(笑)

 

 

公園や買い物から帰るのを嫌がるのも、次のお楽しみを何か考えておけるといいですよね。お子さんがどんなものが好きか分かりませんが、「帰ったらアンパンマンみよう」でもいいし、お手伝いが好きなら「一緒にお夕飯作ろう」でもいいですよね。

帰り道は「じゃんけんぽん!」で「グリコ!」「パイナツプル」「チヨコレイト」で一緒に帰っても楽しいですよ!

(この遊び、知らない方はお若いかな!(笑)検索してみてくださいね♪)

今やっていることをおしまいにしたくないけど、次にもっと楽しいことが待っている!と分かれば切り替えもしやすいと思います。

毎日のことなので色々と工夫するのは大変ですが、もう少し年齢があがれば切り替えも上手になってくると思うので、今のこの過渡期をなんとか工夫しながら乗り越えていけるといいですね。

 

 

お母さんが無理をし過ぎない

お子さんと対話をしながら、お母さん自身の気持ちも大切にしてくださいね。会話が出来るのであれば、出来ればお子さんの機嫌がよくて穏やかな時に「こういう場面ではこうしてくれたらお母さんは嬉しい」などお子さんに話してみても良いかもしれません。

お母さんが無理をし過ぎないで、柔軟に対応していけば子どもの成長に合わせた適切なバランスが見つかると思います。

アドラー心理学の勇気づけの子育てでは、お母さんも子どももどちらかが我慢をしたり犠牲になるのではなく、親子で力を合わせて乗り越えていく協力的な親子関係を目指しています。

 

 

 

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