子どもが待てるようになるのは何歳から?待てない子への対処法

 

 

「ご飯の準備をしているからちょっとだけ待っててね」

「今、手が離せないから待っててね」

「これで遊びたいね。でも、お友達が遊んでいるから順番まで少し待っててね」

子どもたちに待っていて欲しい場面は、日常生活の中でたくさんありますよね。皆さんは、そんな時はどんな風に対応されているでしょうか?

「待つ」というスキルは社会生活をしていく上で必要なスキルなので、子どもたちにも早くから身に着けて欲しい!練習させたい!そう考えている子育てママや保育士さんたちも多いかもしれません。

 

 

3歳までは待てないのは当たり前だと捉えてみよう!

 

しかし、年齢にもよりますが一般的には例えば0歳~3歳の子どもたちにとっては

自己制御能力、協調性、社会性といった能力がまだ未熟なので「待つ」ということは非常に難しいスキルとも言えます。

これには脳の発達が関係しています。小さなお子さんたちは脳の前頭前野(自己制御や意思決定を司る部分)がまだ十分に発達していないので、欲求を抑えたり、今この瞬間に欲しいものを我慢することが難しいのです。逆に言えば、脳が発達してくれば自然と「待つ」が出来るようになっていきます。

とはいえ、お子さんが待てない年齢の時期は大人も大変でヤキモキしてしまうことってたくさんありますよね。

 

 

 

そんな時は、「待てないこの子を何とかしなくちゃ!」「待てる子に躾なきゃ!」そんな思考を手放してみませんか?

「今はまだ待てなくても当たり前!」それくらいに大らかに捉えながら、お子さんが楽しく待てるための工夫が出来たらいいですよね。

 

 

特に1歳2歳など小さなお子さんたちに対しては、無理に待たせるための「訓練」をさせるよりも、子どもの脳の成熟を待ちながら子どもたちが自然と無理なく楽しく待つことが出来るように、大人が色々と環境を工夫するという配慮が必要になると思います。

例えば待っている間、子どもの好きな歌を一緒に歌ったり、楽しい手遊びをしたり絵本を読んで待って貰ったり。

大人が手が離せない時は、子どもの好きな音楽やビデオを流したり、普段使わないような特別な「待ち時間専用のおもちゃ」を用意しておくのもお勧めです。小さな子どもでも、興味の引かれる活動をしていれば静かに座って待つことが短い時間であれば出来ることも多いと思います。

 

 

 

さて。タイトルにも書いた「待てるようになるのは何歳から?」についてですが、これは子ども一人一人の発達状況や性格などにも影響されるので個人差があります。そして、「待つ」と言っても様々な状況や場面があるので一概には言えないですが

例えば目の前に「今すぐ食べたいものがある」「今すぐ欲しいものがある」など欲求を我慢しなくてはならない場合

一般的な年齢の目安としては、2歳頃までは即座に欲しいものを手に入れたがる時期なので待つことはほとんど難しく、3歳頃から短い時間であれば可能になっていく事が多いです。4歳頃になると過去、現在、未来など時間の概念が発達していくので、「今はあげられないけど、〇〇が終わったらあげるね」なども理解し始め、待てる子は増えてきます。

 

一つの実験例ですが、有名なマシュマロ実験の話があります。

子どもの「自己制御能力」や「待つ力」を研究した実験として、スタンフォード大学の心理学者ウォルターミシェルが4歳から6歳の子どもたちを対象に行った実験です。

 

子どもたちを個別の部屋に通し、目の前にマシュマロ1個を置きました。そして「15分これを食べずに待てばもう一個マシュマロが貰える」と伝えます。その後、実験者は部屋を出て子どもがマシュマロを食べずに待つことが出来るかどうかを観察しました。

結果は、半数以上の子どもたちは我慢出来ずに途中でマシュマロを食べてしまいましたが、3分の1(およそ30%)の子どもたちは最後まで食べるのを我慢し通して、2個目のマシュマロを貰えたそうです。

この実験からも、4歳頃を過ぎてようやく待つ能力を発揮し始めていく事が分かります。

 

4歳過ぎても待てない子にはどう対応すればいい?

 

では、4歳を過ぎたのに「待てない」「待つ」が苦手。そんなお子さんにはどんな対応をしたら良いのでしょうか?

発達には個人差があるので、4歳を過ぎても待てないお子さんも全然ダメではありません。

こちらも「訓練」のようにならずに、お子さんが楽しく待つことが出来るように、色々と工夫出来たらいいですよね。

一番効果的なのは、お子さんが好きな遊びをたくさんストックしておくことです!

 

 

手遊び、しりとりやクイズ、言葉遊び、好きな玩具、絵本。

 

好きな活動をしていれば、「待つこと」が苦手なお子さんもある程度座って待つをしてくれると思います。お子さんの好きな遊び、おもちゃなどを是非リスト化してみましょう!

 

見通しを持たせよう!

大人だって、例えば混雑している病院の待ち時間。待ち時間があとどのくらいなのか分からずにずーっと待たされるのは不安でストレスしかないと思います。

「あと3番目ですよ!」「この次呼ばれますよ!」そんな風に教えて貰えたら、安心して「待つ」ことが出来ますよね。

子どもは大人以上に、見通しがつかないと不安になってしまいます。視覚的にも感覚的にも見通しを持たせる工夫をしてみましょう。

時計が読めるのであれば、例えば「長い針が6になるまで待っていてね」と伝えたり。時計が読めないのであれば、キッチンタイマーや砂時計もおすすめです!「砂が全部落ちるまで座って待っていてね」と伝える事で、「あとどのくらいだ!」と視覚的に理解することが出来ます。

 

 

 

自律心を育てるためには自己選択の経験を!

 

「待つ力」は言い換えれば「忍耐力」とも言えますが、これらは自分を律する力、「自律心」と深く関係しています。自律心が養われると、自分の感情や欲求をコントロールする事も上手になってきます。

例えば今すぐ〇〇したい!という欲求を抑えて物事を計画的に進めることが出来たり、他人を尊重して順番を待つ、という事なども出来るようになります。

 

 

自律心を育てる過程では、子どもが自分で決断し、試行錯誤する時間を与えることが大切です。大人は子どもをサポートしつつも、子どもが自分で選んで決めて、その結果に責任を持つ経験を重ねることで育まれていきます。

小さいお子さんでも例えば「どっちのシャツを着る?」「今日のお散歩はどっちの道を歩こうか?」など、日常生活で子どもに自己選択や自己決定をして貰える場面はたくさんありますね。

出来る範囲で、お子さんの「自分で選んだ!」「自分で決めた!」そんな機会を増やしていけたらいいですね!

 

 

少しでも待てたらたくさん褒めてあげよう

「待つ」という行為は実は大人でも苦手な方は多いですよね。

例えばバスに乗り遅れてあと15分、20分待たなくてはいけない場面で、何もせずに待つのはしんどいのでおそらく多くの方がスマホなどをいじりだすのではないでしょうか?

自己コントロール力が大人よりも未熟な子どもたちが、静かに座って待っていてくれているということは、ものすごく頑張ってくれているという事です。少しでも待ってくれたら「待っててくれてありがとう」「静かに座っていてくれて助かったよ」などとたくさん感謝を伝えていきましょう!

 

 

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