保護者向け講習会|アドラー心理学から学ぶ「横の関係」

先月の土曜日に神奈川県相模原市の高見保育園さんにて、保護者向け講習会と職員研修を担当させていただきました。
今回の記事では保護者向け講習会の様子をお届けします。

講習会のテーマは「アドラー心理学から学ぶ大人と子どもの横の関係」でした。

相模原市の保育園で開催した保護者向け講演

今回の講習会は、高見保育園さんが日頃から大切にされている「子どもと大人の対等な関係」「子どもを一人の人として尊重する保育」を、保護者の皆さんにも知っていただきたいという園長先生の想いから実現しました。

高見保育園さんでは、子どもを一人の人として尊重し、子どもと大人の対等な関係性の中で、子どもが自分で考え・選び・行動できる姿を大切にされています。

その保育の根底には、アドラー心理学の「ヨコの関係」と重なる考え方があります。今回の講習会では、そんな保育理念をご家庭でも共有し、園と家庭が同じまなざしで子どもたちの育ちを支えていけるようにという願いを込めて、お話をさせていただきました。

アドラー心理学に学ぶ横の関係とは

講習会ではアドラー心理学の考え方の一つである「ヨコの関係」についてお話しました。

アドラー心理学では、大人が一方的に指示や命令をするような「タテの関係(上下関係)」ではなく、子どもを一人の人として尊重し、同じ目線で関わる「ヨコの関係(対等な関係)」を大切にしています。

ヨコの関係で関わることで、子どもは「大人に言われたからやる」のではなく、自ら考え・選び・行動する力を育んでいきます。そして親子の信頼関係が深まり、「協力したい」と思える関係づくりにつながっていきます。

保育園の保護者向け講演でアドラー心理学の横の関係を話す講師

・とても参考になりました。アドラー心理学をベースに子育てを考える機会がこれまでなかったので良い時間になりました。

・子どもとヨコの関係を築くことで良くなる点が多いことがよく分かりました。

・普段、子どもとの関係が上からの関係になりがちですが、ヨコの関係で子どもを一人の人として尊重して関わることで良い影響があるということに改めて気づかされました。

今日からできる言葉がけと勇気づけ

ではヨコの関係で協力的な親子関係を築くためには、具体的にはどう声をかけ、どう関わったらいいのでしょうか。

講習会では明日からすぐに実践できるヒントとして、「具体的な言葉がけ」と「勇気づけ」についてお話ししました。

勇気づけとは、大人が上から一方的に指示をして子どもを動かすのではなく、逆に子どもの課題を大人が先回りして代わりに解決してあげることでもありません。

子どもの中にある力を心から信頼し、「あなたならきっとできるよ」と見守りながら、その子自身が自分の力で目の前の課題を乗り越えられるように支え、サポートする関わりです。

そんな勇気づけの関わりを、家庭ですぐに実践できる形でロールプレイも交えながら具体的な方法を4つに絞ってお話しました。

保育園で保護者向け講演でロールプレイの様子

・とても勉強になりました。子育てで毎日使っていきたいです。とても役に立つと思いました。

・声かけの仕方がとても参考になりました。プラスの言葉を使っていきたいと思います。


・子どもへの褒め方が評価になっていたと気づきました。これからは教えて頂いた言葉がけを意識して関わろうと思います。


・プラスのセルフトークを意識するようにしていき、子どもにもよい言葉がけを真似して貰えるようにしたいと思いました。

親自身のコップを満たすことも大切

子どもへの言葉がけと同じくらい大切なのが、親自身の心のコップを満たすことです。

子育てをしていると毎日バタバタで、子どものことは一生懸命考えていても、自分のことはつい後回しになりがちです。

疲れやストレスが重なり、心のコップに余裕がなくなると、本当は穏やかに関わりたいと思っていても、ついイライラしたり、きつい言葉が出てしまうことがあります。

だからこそ子どもを勇気づけるためには、まずは親自身の心のコップを満たすことも大切であることをお伝えしました。

・自分にダメ出しも多かったことにも気づけたのでもう少し優しい言葉をかけられるようにやってみます。

・子どもの前にまず親が自分のコップを満たすというお話も勉強になりました。


・対等な関係を築くにも、自らに心の余裕がないとだめだと思うので、ワークの中でやったように、プラスのセルフトークでポジティブな気持ちで日々を過ごしたいと思いました。

セルフトークを体感するワーク

講習会の最後には、自分自身が普段どんな言葉を自分にかけているのか(セルフトーク)を体験していただくワークを行いました。

セルフトークとは、自分自身が無意識に心の中でつぶやいている言葉のことです。人は1日に数千~数万回ものセルフトークをしていると言われています。

自分にかける言葉は、自分自身の気持ちや行動にも少しずつ影響を与えます。だからこそ子どもへの言葉がけだけでなく、自分自身にどんな言葉をかけているのかにも目を向けることが大切です。

そんなセルフトークを実際に体感していただくワークを通して、多くの気づきを得ていただきました。

保育園の保護者向け講演でセルフトークのワークに取り組む保護者

・ワークで実際に声に出してみることでどう感じるかが実感できました。セルフトークでのつぶやき数にはびっくりしました。自分が使う言葉がけに気を付けます。

・すごく耳が痛かったり、「なるほど!」「うんうん!」と実感することがたくさんあり、少し恥ずかしかったですが、ワークをすることで見えてくることがたくさんありました。

質疑応答も好評でした

講習会の後半には、保護者の皆さんからたくさんのご質問をいただきました。

例えば

「子どもに怒ってしまって、『ママ謝って!』と言われた時の対応は?」
「叩いたり、いけないことをした時の伝え方は?」
「子どもが約束を守ってくれない時はどうしたらいい?」

など日々の子育ての中で感じている悩みについて、たくさんのご質問をいただきました。

その中でお伝えした事の一つが、「どんな関係性のもとで、その言葉を伝えるか」ということです。

同じ言葉でも、上下の関係で伝えるのか。それとも子どもを一人の人として尊重し、対等な関係性のもとで伝えるのかによって、その言葉の伝わり方は大きく変わります。

だからこそ、今回お話しした「ヨコの関係」は、日々の言葉がけや関わり方の土台となる考え方だと感じています。

相模原の保育園で保護者向け講演の質疑応答の様子

・本日は貴重なお話をありがとうございました。子育ての情報があふれている中で、何から手をつけていいか迷って、結局何もできない毎日でしたが、シンプルで分かりやすく、すぐに実践できそうだと思いました。

・質疑応答の時にお話頂いた、子どものお話を、まず聴くことで「子どもの耳と心が開く」という言葉は素敵だと思いました。


・講演内容も良かったですが、質疑応答の時間も先生のスタンスや考え方が分かりやすくて良かったです。


・また、アドラー心理学のお話をお聞きしたいです。

 

今回の講習会が、高見保育園さんが大切にされている「子どもを一人の人として尊重する保育」を、ご家庭でも実践していただくきっかけになっていたら嬉しく思います。

このような貴重な機会をいただきました高見保育園の皆さま、ご参加いただいた保護者の皆さま、本当にありがとうございました。

子育てと保育の学び舎cocoroneでは、保護者向けのお話会や講演も行っています。

アドラー心理学をベースに、親の関わり方や言葉がけなど、子育てが少し楽になるヒントをお伝えしています。

保育園・幼稚園・こども園で保護者向けのお話会をご検討中の園さまは、お気軽にお問い合わせください。

 

保育現場の課題や雰囲気に合わせて、内容をオーダーメイドで設計しています